米統治下の小学校への戦闘機墜落事故 記憶継承へ漫画制作進む

アメリカ統治下にあった沖縄で、小学校に戦闘機が墜落し児童などが犠牲になった事故の記憶を継承しようと、後遺症で亡くなった大学生をモデルにした漫画の制作が進められています。

28日、制作にあたるNPOや地元の高校生が関係者に聞き取り調査を行いました。

沖縄がアメリカ統治下にあった1959年6月30日、嘉手納基地を飛び立ったアメリカ軍の戦闘機が宮森小学校に墜落し、児童11人を含む合わせて18人が犠牲となり200人以上がけがをしました。

うるま市のNPO「石川・宮森630会」は、事故の悲劇を多くの人に知ってもらいたいと地元の石川高校の生徒などと漫画の制作を進めています。

モデルは、事故で大やけどを負いおよそ15年後、後遺症のため大学在学中に亡くなった新垣晃さん(享年23)で、28日、新垣さんが高校時代所属していた駅伝部の先輩や同級生から聞き取りを行いました。

これに対し、「1秒でも速く走れるように熱心に取り組んでいた」とか、「大学に進学してからも活躍しすごい選手になると思っていたので亡くなり残念だ」などといった声が聞かれました。

石川高校2年生の小渡健斗さんは「事故についてもっと知りたいと思い参加しました。これからも聞き取りを進めたいです」と話していました。

事故に遭遇し630会の会長を務める久高政治さん(75)は「仲間たちと厳しいトレーニングをしていたことなど、私たちの知らない部分を知ることができてよかった」と話していました。