子どもたちに笑顔を!着ぐるみレースを開催

3月5日、豊見城市で恐竜の着ぐるみを着て砂浜を走る、「ティラノサウルスレース」が行われました。企画したのは地元の高校生たちです。レースに込めた思いを、宮城杏里キャスターが取材しました。

恐竜の着ぐるみをかぶって走るこのレース。4歳から63歳までのおよそ120人が参加しました。

企画したのは、地元の高校3年生の生徒たちです。その1人、川畑未月樹さんです。

「今回のイベントの趣旨には経済的な理由によらず子どもたちがみずからの将来の可能性を広げられるような社会を作りたいという思いを込めています。今日は最後までけがなく楽しい思い出を一緒に作っていきたいと思うのでよろしくお願いします。楽しんでいきましょう」

レースには、児童養護施設の小学生17人を招待しました。虐待や貧困などさまざまな理由で実の親と離れて暮らす児童に笑顔を届けたい。そう考えたといいます。

レースを実現させるため、川畑さんたちは3か月前から資金集めに取り組みました。150を超える会社や団体などに協力を呼び掛けたといいます。寄せられた協力金は115万円にのぼりました。

レース1週間前には、子どもたちへの理解を深めたいと児童養護施設・青雲寮を訪ねました。

生徒たちは「実際、児童養護施設の子どもたちや施設を自分を含めちゃんと理解していないです。どんな子どもたちがここで育っているのか」と、北谷誠施設長に尋ねました。

北谷施設長は「貧困層の家庭の児童さんがこちらに来るっていうことはね、かなり多いパターンではありますかわいそうなのかなっていうイメージがあるかなと思うんですけど、一般の子どもたちと変わらない笑顔であの子どもたちも参加してくれるっていうのはものすごく皆さんにも分かってほしいなと思っていますね」と答えました。

川畑さんたちは、児童の部屋を見せてもらいました。子どもたちともふれあい、川畑さんはこれまで持っていたイメージと実際の姿には違いがあることを実感したといいます。

川畑さんは、次のように述べました。
「全然笑顔たくさんで自分のイメージが覆りました。養護施設の子どもとか関係なく一般の子どもたち、そして参加者の方に楽しんでもらえるようにあと1週間準備して成功させたい」

そして迎えた、本番当日。施設の子どもたちも、協力金で購入した着ぐるみをまとい、レースに挑みます。

「レース楽しみです。1位になる」と話す子どもたち。

出場したのは、小学生対象の「幼獣の部」でした。砂浜に設けられた50メートルのコースを全力で駆け抜けます。

気持ちが先走って、別の組で走り出してしまう子も。
一生懸命走る姿に観客から大きな声援が送られました。

参加した子どもは、「なんか、わくわくした。初めてやってまたやりたいです」とか「1位になりたいなと思ってた。楽しかった」と話していました。

子どもたちに同行した青雲寮の山川雅司さんは、次のように述べました。

「緊張しながらも楽しんでいる様子がうかがえたのでよかった。こういうふうにイベントを通していろいろな経験、いろんなことを見て、外に目を向けてもらって刺激になってもらえればなと」

仲間たちと0から始めた手作りのレース。あふれる笑顔に、川畑さんは、一歩を踏み出すことの大切さを感じたといいます。

「児童養護施設ということばすら運営メンバーで聞いたことがない人もいたし、このイベントを通してその理解が深められたということと、イベントに参加してくれた人にも認識が芽生えたっていうのは自分たちが企画できてよかったと思う」

レースには、設営費や着ぐるみの準備などで、20万円ほどかかったそうです。あまった協力金は全額、児童養護施設に寄付するということです。