米研究所台湾有事で報告書 在日米軍基地も攻撃され甚大な被害
アメリカのシンクタンクが中国が台湾に侵攻した場合のシナリオを検証した報告書を発表しました。
アメリカなどの反撃を受けて中国の作戦は失敗する可能性が高いとする一方、沖縄の嘉手納基地をはじめ各地の在日アメリカ軍基地も攻撃され、甚大な被害を被ると指摘しています。
アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所は9日、2026年に中国が台湾に上陸侵攻作戦を行ったと想定し、24とおりのシナリオを検証した報告書を公開しました。
報告書の基礎となるシナリオでは、日本は当初、中立を保ちますが、アメリカ軍が沖縄の嘉手納基地や山口の岩国基地、東京の横田基地、青森の三沢基地から作戦を展開するとしています。
これに対し多くのシナリオで中国軍は巡航ミサイルなどで日本にあるアメリカ軍基地や自衛隊施設の攻撃に踏み切り、日本も巻き込まれるとしています。
また報告書のほとんどのシナリオで中国の作戦は失敗に終わっていますが、台湾の防衛は高い代償を伴い、「日米両国は数十隻の艦船、数百機の機体、数千人の隊員を失うだろう」としています。
その具体的なイメージとして「嘉手納基地にアメリカの追加部隊が着陸するとき、滑走路の両脇には日米の機体の残骸が並び、軍の病院に収容された負傷者は数百人にのぼり、多数の死者に対応するため仮設墓地も作られているだろう」とする記述もあります。
報告書では台湾有事への対応には、在日アメリカ軍基地の使用が不可欠だとしてシェルターで基地の防衛力を高め、機体を分散させるため駐機場を拡張する必要があると指摘しているほか、日本の民間空港の使用にも取り組むべきだと提言しています。