那覇市の赤ちゃん死亡事故 保育施設「余裕なかった」と報告

ことし7月、那覇市にあった認可外保育施設で生後3か月の赤ちゃんが心肺停止の状態になり死亡した事故で、当時の園長が赤ちゃんの異変に気づけなかった理由について「せわしく見る余裕がなかった」などと市に報告していたことが、NHKが行った情報公開請求でわかりました。

ことし7月30日、那覇市にあった認可外保育施設「緑のすず乃保育園」で、生後3か月の赤ちゃんがベッドでうつ伏せの状態で見つかり、救急搬送されましたが、病院で死亡が確認されました。

この事故について、NHKは市に情報公開請求を行い、当時の園長が記載した資料を入手しました。

この中で、赤ちゃんの異変に気づけなかった理由ついて、園長は「経験のない職員と保育することに不安を抱いていた。乳幼児全体を見ながら落ち着いて保育することができず、せわしく見る余裕がなかった」などと市に報告していたことが分かりました。

また、異変を把握した時に救急車を呼んだり市に連絡したりしなかった理由については、「お迎えの時、おでこが黒く異変を感じたものの、お母さんに見せることを優先した」などとしています。

その後、赤ちゃんの体温は35度4分から34度へと急激に下がり、「慌ててお母さんに連れて行った。救急車を呼ぶほどのことではない大丈夫だと思いたかった」と記載されていました。

この施設は経営が困難だとして、ことし8月下旬に廃止しましたが、市は再発防止のため調査を継続しています。