岡山空襲体験した女性 中学生に戦争の悲惨さ訴える 岡山

太平洋戦争末期の岡山空襲から6月29日で79年となるのを前に、空襲を体験した女性が、岡山市の中学校で生徒たちに戦争の悲惨さを訴えました。

岡山市中区の県立岡山操山中学校の1年生およそ120人を前に話しをしたのは、5歳の時に岡山空襲を体験した川野辺郁さん(84)です。
あらかじめまとめた生徒たちの質問に答える形で川野辺さんは話をし「空襲からどのように逃げたか」という質問には「親と一緒に逃げると約束していたが、手を離してひとりで逃げてしまった。目の前にいた人に焼夷弾が直撃して、周りで叫んでいる声が聞こえた」と証言しました。
また「今でも思い出すことはあるか」という質問には「ウクライナへの軍事侵攻を報道で見て、当時のことが頭に浮かび今でもうなされる」と述べました。
そのうえで川野辺さんは「戦争は悪いことをしていない一般市民が巻き込まれてつらい思いをするものだ」と訴えると、生徒たちはメモをとり真剣な表情で聞いていました。
話を聞いた生徒のひとりは「戦争を通して無残に人の命が奪われることは悲しいことだと思った。自分たちが戦争をしないように、平和の大切さを伝えていきたい」と話していました。
川野辺さんは「熱心に聞いてもらってうれしかった。戦争の体験をこれからの若い世代にはしてほしくない。平和な世の中を維持してほしい」と話していました。