証拠品の現金290万円余盗んだ罪 元警察官に懲役3年求刑

勤務していた岡山南警察署の保管庫から、証拠品の現金290万円余りを盗んだ罪などに問われた元警察官の裁判が岡山地方裁判所で開かれ、検察は懲役3年を求刑しました。

岡山南警察署の元巡査長・松岡和寛被告(32)は、去年7月から10月、署内に保管されていた現金299万6000円を10回にわけて盗んだ罪や、去年10月には捜査で関わった住宅から他人名義の通帳などを持ち去り、横領した罪などに問われています。
岡山地方裁判所で24日に初公判が開かれ、被告は起訴された内容を認めました。
裁判のなかで、検察は「平成31年頃からギャンブルに使う金が増え、消費者金融や同僚から借金をするようになった。携帯電話代の返済や、ギャンブルなどに使おうと考え保管されていた現金を持ち出した。また変死の事案で対応した死者に身寄りがないことを思い出し、空き家に侵入して通帳などを持ち去った」と主張しました。
そして検察は「業務上知り得た知識を悪用して犯行に及んでいて、警察への信頼を著しく失墜させる悪質な犯行だ」などと述べ、懲役3年を求刑しました。
一方弁護側は、被告が医療機関でギャンブル依存症の更生プログラムを受けるなどとして、執行猶予付きの判決を求めました。
判決は6月12日に言い渡される予定です。