安全保障関連法違憲訴訟 2審も憲法判断せずに訴え退ける

集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法は、憲法9条に違反するとして、岡山県の住民などが国を訴えた裁判で、2審の広島高等裁判所岡山支部は、1審と同じく憲法判断をせずに訴えを退けました。

9年前の2015年に成立し、集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法について、岡山県の住民など191人は、戦争の放棄を定めた憲法9条に違反し、平和的に生きる権利が侵害されたなどとして、国に賠償を求めていました。
1審の岡山地方裁判所は、おととし憲法判断をしないまま訴えを退け、住民側が控訴していました。
24日の2審の判決で、広島高等裁判所岡山支部の柴田厚司裁判長は、1審の判決を引用した上で「安全保障関連法によって、原告らの生命、身体、健康が侵害される具体的な危険が発生したと認めることはできない」などとした上で、安全保障関連法が憲法に違反するかについては、1審に続いて判断を示さず住民側の訴えを退けました。
原告の弁護団によりますと、同様の裁判は全国で25件起こされ、これまでに各地の1審、2審で言い渡された判決は、いずれも訴えを退けています。

判決のあとの会見で、弁護団の共同代表を務める河原昭文弁護士は「全く新しいことがない判決で、憲法を守ろうという姿勢がない不当な判決だ」と批判し、上告する方針を明らかにしました。