吉備中央町長 後援会飲食代一部支払い“寄付にはあたらない”

吉備中央町の山本雅則町長が、去年開かれた自身の後援会の懇親会で、参加者の飲食代の一部を支払っていたことがNHKの取材で分かりました。
公職選挙法では、有権者への飲食の提供は寄付行為として禁止されていますが、山本町長は一時的に立て替えたもので、寄付にはあたらないと説明しています。

吉備中央町の山本町長の後援会は、半年前の去年10月14日に「役員懇親会」などとして、貸し切りバスで倉敷市内のホテルに向かい、会合を開きました。
この会合では、参加者28人に対して、1人あたり5500円の食事とビールや日本酒などの飲み物が提供されていました。
飲み物代も含めると、1人あたりの料金は平均で7700円余りになったということですが、NHKが入手した懇親会の案内状などによると、参加者の会費は1人3000円のみで、実際の飲食代とは4000円以上の差がありました。
公職選挙法では、町長が有権者に飲食を提供することは寄付行為として禁止されています。
これについて、山本町長はNHKの取材に対し、差額は自身が支払ったことを認めたうえで、一時的に立て替えただけで当初から参加者負担を想定していたので、寄付にはあたらないと説明していますが、案内状には、3000円の会費以外の負担については記載がありませんでした。
また山本町長は「去年10月に発覚した有機フッ素化合物の問題に追われ、清算手続きまで気が回らなく、この時期になったが、すでに参加者に追加徴収をお願いしている」と説明していますが、NHKが取材した懇親会の参加者は「追加徴収の話は聞いていない」と話しています。
「政治とカネ」の問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は「政治家が後援会のメンバーを接待して得をしたと思わせるような催しが、まだあちこちで行われているのではないか。おごったり、おごられたりという関係の中で政治家が選ばれるようになると、政策本位の選挙にならず、民主主義を壊すことにつながる。寄付をすることが許されないのは当然だが、有権者も寄付を受けないようにしてほしい」と話しています。