早期胃がんAIで診断支援システム開発 岡大と両備システムズ

岡山大学などは、AI=人工知能を活用して早期の胃がんがどこまで進んでいるか高い精度で見極めることができる診断支援システムを、国内で初めて開発したと発表しました。
より正確な診断によって外科手術を減らし、患者の負担軽減につながることが期待できるとしています。

発表によりますと、岡山大学と岡山市の両備システムズは、内視鏡検査による画像をもとに早期の胃がんが胃壁の内部でどこまで進んでいるかの診断を支援するシステムを開発しました。
AIに胃がんの内視鏡画像5000枚を学習させることなどにより、このシステムでは患者の画像を分析し1分弱で結果を示すことができるということです。
早期の胃がんは専門医でも正しく診断するのが難しいとされ、診断の精度は72%ということですが、開発されたシステムではそれを上回る82%だということです。
システムは早期の胃がんがどこまで進んでいるかを診断する医療機器として、国内で初めて承認されたということです。
胃を切除する外科手術を減らして、内視鏡による治療を増やすことなどで、患者の負担軽減につながることが期待できるということで、会社では年内の販売開始を目指すとしています。
岡山大学学術研究院河原祥朗教授は「患者のQOL=生活の質を損なう無駄な治療を減らすことができると思う。システムの実用化によって日本だけでなく世界の患者の役に立つことを期待している」と話しています。