太陽光パネルをリサイクル 新見の企業が熱分解装置を開発

普及が進む一方、大量廃棄が懸念される太陽光パネルを資源としてリサイクルするため、熱で分解する装置を新見市の企業が開発しました。

新見市の企業が開発した装置は、幅5メートル・高さ3メートル・奥行き15メートルの大きさで、高温の水蒸気でパネルを分解します。
16日、縦1.7メートル・横1メートルの使用済みの太陽光パネルを入れると、10分ほどでガラスや銅線などが素材として回収されました。
会社によりますとこの装置を使えば、それぞれの素材が高い純度で回収でき、水蒸気を用いるため二酸化炭素を排出しないことが特徴だということです。
この1台で、使用済みのパネルを年間9万枚、処理することができ、再来年度(R8年度)には倉敷市の建設会社に導入される予定です。
太陽光パネルの大量廃棄時代に向けてリサイクルの技術開発が課題となるなか、太陽光発電の事業者や産業廃棄物の処理業者などで作る団体は、この装置も活用し、使用済みのものから新しいパネルを製造する拠点「リボーンパーク」の設立を、3年後をめどに目指しています。
会社の佐久本秀行社長は「この装置で純粋な素材が抽出できるので、パネルからパネルを生み出す『水平リサイクル』につながる大きな一歩だと考えている」と話していました。