県内初「ゾーン30プラス」津山東小学校近くの通学路に整備

子どもたちが巻き込まれる交通事故を防ごうと、車やバイクは時速30キロまでとする場所に、路面を盛り上げた横断歩道を組み合わせた「ゾーン30プラス」が、県内で初めて整備されました。

「ゾーン30プラス」が設けられたのは、津山東小学校の近くの通学路です。
12日の朝に警察官6人が立ち、通りかかった車に速度を落とすよう促し、登校する児童を見守りました。
学校の周辺は最高速度が時速30キロ以下に規制され、学校の横の横断歩道は、路面を10センチほど盛り上げえんじ色でカラー舗装して目立つようになっています。
警察や市などが3年前、この場所で1か月間、試験運用したところ、横断歩道で一時停止したり手前で減速したりする車の割合が増えたことから、整備が決まりました。
県内で「ゾーン30プラス」が設けられるのは今回が初めてです。
津山警察署交通課の板野順一課長は「登下校の児童が多く通行する場所で、ドライバーに減速を促そうと設置しました。最高速度が30キロに規制される区域では、速度計に注意して走行してほしい」と話していました。

【ゾーン30とは】
生活道路で歩行者や自転車が安全に通行できるよう区域=ゾーンを定め、最高速度を時速30キロまでとして車のスピードを抑えようとするのが「ゾーン30」です。
県内では平成24年から整備が始まり、現在、近くに小学校や幼稚園がある生活道路、あわせて51か所に設けられています。
このうち、岡山市北区の今幼稚園近くでは、大通りから住宅街に入った道路上に「ゾーン30」という文字が書かれています。
また岡山市中区の宇野小学校のそばには、路肩を緑色に塗って通学路であることを示す「グリーンベルト」もあわせて整備されています。
警察庁の統計では、平成30年度末までに全国に設置された「ゾーン30」で、整備の前と後で交通事故が23.9%減少したとされています。

【ゾーン30プラスとは】
「ゾーン30」に加えて、路面をゆるやかに盛り上げた「スムーズ横断歩道」や、道の幅を狭くするポールなど、物理的な構造物を組み合わせ車の速度を抑えようというのが「ゾーン30プラス」です。
3年前、千葉県八街市で下校中の児童5人がトラックにはねられて死傷した事故を受け整備が進められています。
警察庁によりますと、去年3月末までに全国で66か所に設けられました。
「ゾーン30プラス」について岡山県警察本部は「現時点で津山市に続く具体的な計画はないが、地域住民や道路管理者と協議し整備を検討したい」としています。

【通学路では減速して走行を】
岡山県警察本部によりますと、去年までの10年間に県内で起きた交通事故で死亡やけがをした歩行者は5475人でした。
これを年齢別に見ると最も多かったのが「7歳」で114人に上ります。
7歳は小学1年生から2年生にあたる年齢です。
登下校中や友だちの家に遊びに出かけたとき、事故に遭うケースが多いということです。
また7歳が事故に遭った原因は「飛び出し」が最多で、時間は午前7時台と午後3時から6時までが多かったということです。
警察は、通学路での取締りを重点的に行っていて「住宅街など見通しが悪い場所では、子どもの飛び出しも念頭に気をつけて運転してほしい。特に通学路では安全な速度まで減速することを心がけてほしい」と呼びかけています。