化学物質でけが人出た想定 消防と警察が合同訓練 岡山市内

1995年の地下鉄サリン事件から29年を前に、多くの人が出入りする建物でまかれた化学物質によりけが人が出たという想定で、消防と警察が岡山市内で合同訓練を行いました。

岡山市中区での訓練には、市消防局と岡山県警察本部の機動隊からおよそ150人が参加し、クリニックや事務所が入るビルで不審な液体がまかれ、40人が体調不良を訴えているという想定で始まりました。
はじめに、消防局の救助隊員が規制線を張って安全を確保したあと、防護服を着て液体の入ったボトルに近づきました。
専用の検知器で化学物質であることを確認し、密閉容器に入れて回収しました。
そして倒れている人を見つけると治療の優先順位を決める「トリアージ」を行い、症状の重い人から順に運び出していました。
また液体が服についた人をテントの中に誘導し、被害が周囲に広がらないよう、シャワーやスポンジを使うなどして、付着した化学物質を取り除きました。
1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件では、14人が死亡し、およそ6300人が被害を受けました。
消防と警察は、迅速な対応が取れるよう参加者には、119番通報の内容のみを知らせる形で今回の訓練を実施していて、今後も連携を深めたいとしています。
訓練のあと、岡山市西消防署特別救助隊の鶴海正起副隊長は「警察との連携の必要性を確認でき、非常に有意義な訓練でした。情報処理が難しかったので、しっかりと今後も訓練を重ねていきたい」と話していました。