岡山の伝統行事「はだか祭り」 4年ぶりに「宝木」争奪戦

岡山市の伝統行事「はだか祭り」が、17日夜行われ、4年ぶりとなった福を呼ぶとされる木、「宝木(しんぎ)」の争奪戦に多くの男たちが参加し、激しくぶつかり合いました。

岡山市東区の西大寺観音院の「会陽(えよう)」、いわゆる「はだか祭り」は、締め込み姿の男たちが「宝木」を奪い合う争奪戦などが行われる伝統行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
この争奪戦は、新型コロナの影響で3年連続で見送られていましたが、17日夜はおよそ9000人が参加し、4年ぶりに行われました。
肩を組んだ男たちが「わっしょい、わっしょい」とかけ声を出しながら集まり、本堂では身動きがとれないほどひしめき合いあたりは熱気に包まれました。
そして、午後10時に明かりが消され、長さ20センチほどの筒状の「宝木」2本が投げ入れられると、男たちがぶつかる激しい奪い合いが始まり、大きなうねりができていました。
「宝木」を観音院の外に持ち出して、「福男」となったのはいずれも岡山市内から参加した2つのグループでした。
このうち、息子や同僚と参加した尾崎義隆さん(59)は、「ことし還暦になりますが、福男になれて幸せな気持ちでいっぱいです。4年ぶりの争奪戦でもけがをしなくてよかったです。みんなと福を分けあって、幸せな1年が過ごせたら」と話していました。