吉備中央町の水質問題 岡山市の病院が住民の健康診断実施へ

吉備中央町の円城浄水場で有害性が指摘されている有機フッ素化合物PFASが極めて高い濃度で検出された問題で、岡山市の病院が来月(3月)住民を対象にした健康診断を行うことになりました。

11日は吉備中央町の円城地区で住民らおよそ80人が参加した学習会が開かれ、PFASの問題に詳しい専門家らが講演しました。
この中で、岡山市中区の岡山協立病院の高橋淳院長が、来月(3月)「PFAS相談外来」を開設し、住民の健康診断を行うことを明らかにしました。
希望する中学生以上を対象に、PFASの影響が指摘されている甲状腺や肝臓の機能、それにコレステロール値などを検査するということです。
また、去年、住民の血液調査を行った京都大学の原田浩二准教授は、海外では健康への影響を調べる血液調査を実施し、将来のリスクを減らすための対応がとられていることを紹介し、町でも継続的に調査を行っていくことが必要だと指摘しました。
長年PFASをめぐる問題を研究してきた京都大学の小泉昭夫名誉教授は「各地で血液調査が行われているが、吉備中央町では群を抜いて高い数値が出ている。住民の不安に応えるためにも、健康診断や継続的な血液調査が必要だ」と話していました。