県警交通部長を書類送検 部下に昇任試験の問題教える

岡山県警察本部で交通部長を務める警視正が、部下の女性警察官に、巡査部長への昇任試験の問題を事前に教えたとして、国家公務員法の守秘義務違反の疑いで書類送検されました。
警視正は減給の懲戒処分を受け、依願退職しました。

書類送検されたのは、岡山県警察本部で交通部長を務める井上卓彦警視正です。
警察などによりますと、井上警視正は去年8月、部下の女性警察官に巡査部長への昇任試験の問題を事前に教えたとして、国家公務員法の守秘義務違反の疑いが持たれています。
警察によりますと、警視正は昇任試験の選考委員で、女性警察官に出題される可能性がある問題を複数教え、このうち1問は実際に試験に出たということですが、警察は「合否に影響はなかった」と説明しています。
この警察官が去年9月、同僚に相談したことで発覚し、警視正は調べに対して「合格してほしかった。問題案を見て記憶の範囲内で教えた」などと話したということです。
また警視正は、去年6月から9月ごろまでの間に同じ女性警察官に対して「以前から一緒に働きたいと思っていたんだよ」などと、セクハラにあたる言動を繰り返してたことも分かり、減給10分の1、6か月の懲戒処分を受け、26日付けで依願退職しました。
岡山県警察本部の河原雄介本部長は「最高幹部職員として言語道断の行為であり、深くおわび申し上げます。本件を重く受け止め、幹部職員に対する指導教養を徹底し、再発防止と県民の信頼回復に努めてまいります」とコメントを発表しました。

交通部長の依願退職を受け、岡山県警察本部はその後任に、警務部の総務統括官の寳満智彦警視を充てる人事を発表しました。