吉備中央町浄水場問題 住民有志の血液検査国調査の78倍検出

吉備中央町の浄水場の水質問題を受けて住民の有志が血液検査を行った結果、有害性が指摘されている物質が、国の調査の平均値のおよそ78倍検出されたことが分かりました。

吉備中央町の円城浄水場では、有害性が指摘されている有機フッ素化合物の2つの物質が極めて高い濃度で検出されました。
これを受けて住民の有志が11月に、希望する住民27人を対象に血液検査を行いました。
そして20日、山本雅則町長に対し、検査結果とともに町が主体となって血液検査を実施するよう求める要望書を提出しました。
検査結果によると、WHO=世界保健機関のがん研究機関が「発がん性がある」としているPFOAの住民の平均値は、国がおととし全国の3か所で行った調査の平均値の77.8倍だったということです。
また「発がん性がある可能性がある」としている「PFOS」は2.5倍でした。
要望書を受け取った山本町長は「血液検査の実施については、有識者でつくる委員会の提言に従うつもりだが、数値を聞き、住民の思いをくむべきだと思った」と話していました。
検査を行った京都大学の小泉昭夫名誉教授は「世界的にみても非常に高いレベルで検出されていて、中長期的な対応を早急に取るべきだ」と話していました。
住民有志の会の代表の小倉博司さんは「住民の求めに応じて町には、希望者全員の検査を公費で行い、健康被害への不安に寄り添ってほしい」と話していました。