談合事件で指名停止の企業から献金 自民党の政党支部など

岡山県選出の自民党の国会議員が代表を務める政党支部などが、談合事件で指名停止の措置を受けていた岡山市の建設会社から献金などを受け取っていたことが分かりました。

NHKは、総務省と岡山県選挙管理委員会が11月に公表した国会議員と知事、それに岡山市長に関係する政党支部や政治団体の去年1年分の政治資金収支報告書を調べました。
その結果、複数の政党支部や政治団体が、航空自衛隊岐阜基地の施設工事の入札をめぐる官製談合事件で、岡山県や岡山市などから指名停止の措置を受けていた岡山市の建設会社から、指名停止期間中に献金などを受け取っていたことが分かりました。
このうち金額が最も大きかったのは、衆議院岡山1区選出で自民党の逢沢一郎議員が代表を務める「自民党岡山県第一選挙区支部」で、去年6月から8月にかけて450万円の献金を受け取っていました。
逢沢議員はNHKの取材に対し「法的には制限がないため、適切に収支報告をしているが、指名停止と献金の時期を調べ、対応をこれから判断する」とコメントしています。
また自民党の政治資金団体「国民政治協会」も、去年5月から12月にかけて20万円の献金を受け取っていました。
「国民政治協会」は「関係法令にのっとって適正に処理していますが、ご指摘の件についてはよく精査のうえ、適切に対応したい」とコメントしています。
また岡山市の大森市長の後援会「大森雅夫後援会」は、去年5月に政治資金パーティーの会費として30万円を受け取っていました。
「大森雅夫後援会」は「もう少し配慮があればご迷惑やお手数をおかけすることはなかったと思い、反省しています」とコメントし、すでに会費を返金したとしています。
このほか、東京都の自民党の政党支部が10万円の献金、全国規模の政治連盟が40万円のパーティーの会費を受け取っていました。

政治資金の問題に詳しい、神戸学院大学の上脇博之教授は、談合で指名停止の措置を受けていた企業から、献金やパーティーの会費を受け取ることは、政治資金規正法で禁止されていないとしながらも「税金が使われている公共工事で、談合という違法な行為を通じて得た収益の一部が政治家に流れるというのは、違法でないとしても道義的に見ると極めて問題だ。受け取った団体は企業に返した上で、今後二度と同じことを繰り返さないと宣言するぐらいの覚悟でやってほしい」と話しています。