“3年間指名なし” 吉備中央町の土木業者が町を提訴

吉備中央町の土木業者が、町が発注する工事の指名競争入札で、合理的な理由がないのに3年間にわたって指名を受けられず、入札に参加できなかったとして、町に損害賠償を求める訴えを、岡山地方裁判所に起こしたことが分かりました。

訴えを起こしたのは、土木工事などを手がける吉備中央町の業者です。
訴えによりますと、この業者は、町の土木工事の入札に参加する資格を満たしているのに、令和2年度から4年度までの3年間に、町が行った土木工事の指名競争入札、75件で一度も指名されなかったということです。
業者は、公共工事を請け負うために受けなければいけない県の審査の点数でも、入札に参加したほかの業者に劣っていないとして、町が合理的な理由がないのに指名をしないのは、行政の裁量権を逸脱し違法であるとしています。
その上で、入札に参加できていたら、一部の工事を落札して利益を得られたとして、162万円余りの損害賠償を求めています。
原告の業者はNHKの取材に対し「資格はあるのに一度も指名されず、その理由を町に尋ねても、はっきりとした回答が得られなかったため、やむをえず提訴した。ほかにも指名を受けられない業者がおり、なぜ指名外しをするのか、町はちゃんと説明してほしい」と話しています。
吉備中央町の山本雅則町長はNHKの取材に対し「対応を検討中で、現時点でのコメントは差し控える」と文書で回答しました。