岡山市で悪質な宗教団体などへの規制を考える集会

旧統一教会の問題を受けた被害者の救済が課題となる中、悪質な宗教団体などの規制のあり方を考える集会が岡山市で開かれました。

岡山弁護士会が岡山市北区で開いた集会にはおよそ230人が集まり、専門家による講演やパネルディスカッションが行われました。
最初に、宗教団体によるマインドコントロールの問題や被害者の支援に取り組んできた紀藤正樹弁護士が講演し、日本では規制が不十分だったため、被害者は自力で民事訴訟をせざるを得なかったと説明しました。その上で、被害の予防や救済のためには、法律による規制が重要だと指摘しました。
また、フランス法に詳しい大阪大学大学院の島岡まな教授は、2001年にフランスで制定されたカルト団体の活動を規制する法律について解説しました。島岡教授は、フランスでは、カルト団体による人権侵害を規制する法律は、自由を擁護するものであり、信教の自由には抵触しないという社会的合意があり、政府機関だけでなく、さまざまな団体が連携して対策に取り組んでいることを紹介しました。そして、日本でも同じような法律の整備が必要だと訴えました。
岡山で1980年代から旧統一教会による霊感商法などの問題に取り組んできた河田英正弁護士は「カルト団体は人の考える力を奪って信教の自由を侵害し、高額な献金などで人生や生活を破壊する。日本でも規制に向けた議論が必要だ」と話していました。