岡山県警察学校で学ぶ新人警察官の様子報道陣に公開

岡山県警察学校で学ぶ新人警察官の様子が23日、報道陣に公開されました。

岡山市北区にある岡山県警察学校では、去年とことしに岡山県警に入ったあわせて67人が、6か月から10か月、警察官としての基礎を学んでいます。
その様子が23日に報道陣に公開され、このうちテロ抑圧や要人の警護などの手法を学ぶ授業では、投石や火炎瓶などから身を守るためのジュラルミン製の盾を持って走ります。
盾の重さはおよそ6キロで、服の下にも重さ5キロの防護服を着けていて、重い装備を身につけても動けるようにグランドを周回しました。
また事件現場などで証拠を集める鑑識活動を学ぶ授業では、ガラス瓶に付着した指紋を採取する実習が行われました。
はけで薄く粉末を振ると指紋が浮かび上がり、証拠として保管するため、浮かび上がった指紋を透明なフィルムに写し取っていました。
授業を受けた大久保音々巡査は「正直、授業のあとはきついなと思うが、これが警察官に必要なことなのでもっと頑張っていきたいです。優しい面も持ちつつ、逮捕術などを身につけて強い女性警察官になりたい」と話していました。
この10年間で警察学校に入校した新人のうち、およそ1割が卒業前に退職しているということで、授業を公開することで、警察学校や警察官の仕事への関心を高めたいねらいがあります。
県警察学校で教官を務める板野紀之警部補は「誰かのために仕事をするのが、警察官の魅力です。同期と手を取り合って汗を流し、心を燃やせる場所なので、警察官を志す人にはぜひ警察学校の門をたたいてもらいたい」と話していました。

新人のうち、およそ1割が警察学校を卒業する前に退職していることについて、県警では学生が警察官としての新しい環境や考え方になじめないことが、要因の一つと分析しています。
このため、入学内定者の研修会を本人だけでなく希望する保護者も招いて開催しているほか、入学後は担任に加えて副担任の教官を設置して個人面談を行って、一人ひとりの悩みや不安の解消に力を入れているとしています。
生理による体調不良など女性特有の問題については、担任以外の女性教官に直接、相談できるようにしています。
また授業以外のトレーニングのメニューについても、以前は教官が内容を決めていましたが、いまは学生たちが話し合って自主的に決めるなど、さまざまな取り組みを行っていると言うことです。