介護現場の人材確保は子育てとの両立支援で 津山市の施設

少子高齢化などの影響で介護現場の人材不足が深刻になるなか、津山市の施設では、子育てとの両立を支援する働き方を積極的に導入し、人材の確保を図っています。

この施設では、24時間体制でケアを行う入居者などおよそ100人を、90人以上のスタッフで対応しています。
スタッフの9割が女性で、子育てをしている人も多いため、仕事と両立できるように、希望する時間に働けるシフトを組んでいます。
また子どもが3歳になるまでとする企業が多い「時短勤務」も小学校6年生までに拡大。
短時間でも福利厚生などが整う正社員として働くことができるようにしています。
子育て支援が始まったきっかけは15年ほど前。
20代後半から30代の経験豊富な女性スタッフが相次いでやめたことでした。
子どもの看病や学校の行事などの際、柔軟に休みが取れないことが大きな要因でした。
仁木則子施設長は「今までどおりのサービスの提供ができないという危機感があった」と当時を振り返ります。
離職を食い止めるために施設が立ち上げたのが、子どもを持つスタッフが集まる会議です。
働きやすい職場を作るために、現場の声を積極的に取り入れようと、2か月から3か月に1回開催しています。
この会議をきっかけに、手続きなしの子連れ出勤も可能になりました。
学校が休みの子どもを持つスタッフも働けるため、人員確保の面で施設側にも大きなメリットになっています。
こうした制度のおかげで、10年ほど前から、出産や子育てなどが要因の離職がほとんどなくなりました。
大変なイメージがある介護の現場でも、子育てとの両立支援が人材確保の大きな支えとなっています。