岡山大学 論文に100か所超のねつ造 56歳教授を懲戒解雇

岡山大学は、4年前に発表されたがんに関する論文に100か所を超えるねつ造があったとして、56歳の教授を懲戒解雇したと発表しました。

懲戒解雇の処分を受けたのは、岡山大学学術研究院医歯薬学域に所属する神谷厚範教授(56)です。
大学によりますと、神谷教授は4年前、マウスを使った実験をもとにがんに関する論文を発表していますが、その後、不正を指摘する匿名の告発がありました。
大学と神谷教授が以前研究を行っていた大阪・吹田市にある国立循環器病研究センターが調査したところ、論文に記載された実験に必要なマウスの数に比べ、購入するなどした数が大幅に少なかったことなどから3月、大学は113か所のねつ造があったと認定しました。
大学は、4月に意見を聞く機会を設けましたが期限内に回答はなく「法人の信用を傷つけ、その利益を害し、職員全体の不名誉となる」などとして、今月14日付けで懲戒解雇しました。
これまでの調査に神谷教授は「マウスを再利用した」などと説明して不正は認めず、大学からの論文撤回の勧告にもこれまでのところ応じていないということです。
岡山大学の那須保友学長は「事案が発生したことを重く受け止め、再発防止に向け、研究活動における不正行為防止に向けた取り組みを構築する」などとコメントしています。