岡山大学教授 論文に100か所超えるねつ造 大学処分を検討
岡山大学は、学術研究院に所属する教授が、4年前に発表したがんに関する論文に、100か所を超えるねつ造があったと発表しました。
大学は速やかに処分を検討するとしています。
これは岡山大学が24日に記者会見を開いて明らかにしたものです。
ねつ造が見つかったのは、岡山大学学術研究院に所属する神谷厚範教授が、4年前に発表した論文で、マウスを使った実験によって、自律神経ががんの増大や転移に強い影響を及ぼすことを発見したとするものです。
新しいがん治療の可能性を示す研究として注目され、国際的に著名な科学雑誌「ネイチャーニューロサイエンス」にも掲載されました。
しかし論文の不正を指摘する匿名の告発があったことから、岡山大学と神谷教授が以前研究を行っていた国立循環器病研究センターで調査を行ったところ、神谷教授が購入するなどしていたマウスの数では、この論文の実験を行うことは不可能であることが分かったということです。
調査に対して、神谷教授は「マウスを再利用した」などと説明し不正を認めていないということですが、岡山大学などは、そのような方法は考えられないとして、113か所のねつ造があったと結論づけました。
岡山大学は今後、速やかに処分を検討するとしています。
岡山大学の槇野博史学長は「本学教員としてあるまじき行為で到底容認されない。厳粛に受け止めて、再発防止に向けた取り組みを組織に浸透させていく」とするコメントを発表しました。