IT技術活用し車内で救急救命士が検査の実証調査 吉備中央町
国の「デジタル田園健康特区」に指定されている吉備中央町で、IT技術を活用して、患者を搬送中の車内で救急救命士が検査を行う実証調査が行われました。
実証調査では、事故のけが人を搬送する想定で行われ、救急車に見立てたドクターカーが、吉備中央町から岡山市までおよそ1時間の道のりを走りました。
走行中の車と病院はインターネットで結ばれ、病院のモニターには車内にいる救急救命士が身につけたカメラの映像などが映し出されました。
そして救急救命士が医師の指示を受けながら、超音波で内臓の状態を調べる「エコー検査」を行い、医師が送られてきた画像を見て診断を行いました。
エコー検査は、現在の法律では救急救命士が行うことは認められていませんが、ITを活用し医師の指示のもとで行えるようになれば、病院到着後の処置をより素早くできるようになるということで、今後実用化を目指したいとしています。
岡山大学病院の上田浩平助教は「時間が長くかかる中山間地域からの搬送の間に、治療につながる診断を可能にする大きな一歩になったと思う」と話していました。