年末年始は車のトラブルも増加傾向 出発前にタイヤなど点検を

帰省や旅行の機会が増える年末年始は、車のトラブルも増える傾向にあり、JAF=日本自動車連盟は、出発前にバッテリーやタイヤを点検するよう呼びかけています。

JAF岡山支部によりますと、休みを取る人が多い夏と冬にドライバーからの救援要請が増える傾向にあり、昨年度は12月が最も多く2886件で、最も少なかった6月と比べて、およそ1.4倍多くなりました。
昨シーズンの12月29日から1月4日にかけて、県内での出動理由は「バッテリー上がり」が最も多くおよそ33%を占め、パンクなどの「タイヤのトラブル」がおよそ14%、「バッテリーの破損や劣化」がおよそ9%などとなっています。
その原因として「バッテリー上がり」は、ライトやくもり止め、エアコンの使いすぎなどが、また「タイヤのトラブル」は、セルフサービスのガソリンスタンドが増え、点検する機会の減少などが考えられるということです。
高速道路では、タイヤの空気圧が低いとたわみが大きくなり、破裂などを起こすおそれが高まるということです。
JAF岡山支部の建部拓さんは「県南部の人は雪や寒さを意識していないと思うが、県北部や山陰では大雪や凍結が当たり前だという意識を持ってほしい。『現地に行ってどうにかなる』という考えは通用しない。出発の前の点検にひと手間かけ、準備を万端に整えてほしい」と呼びかけています。

【タイヤの自己点検の3項目】
車のタイヤを自分で点検する際のポイントは3つあります。
1つ目は「摩耗の程度」です。
タイヤには、側面に三角印がついています。
その延長線上にある突起を「スリップサイン」と呼びます。
タイヤの表面は、どんどんすり減っていくので、表面がこの突起と並んでしまう前に、新しいものと交換する必要があります。
またタイヤの側面には製造時期を示す数字があり、すり減っていなくても、製造から5年以上経過したものは、劣化のおそれがあるため交換の必要があります。
2つ目は「空気圧の確認」です。
適正な空気圧は、運転席のドアや車体に貼られたシールで確かめることができます。
月に1回程度、ガソリンスタンドで従業員に声をかけるなどして、チェックしてもらって下さい。
3つ目は「緊急時の道具がどこにあるかの確認」です。
スペアタイヤの交換には、工具やジャッキが必要です。
また、スペアタイヤを積んでいない車には、パンクした部分を防ぐ薬剤が備えられています。
どこにあるのか、どう使うのか、あらかじめ確認しておくことが大事です。
トラブルの発生を周囲に伝える発煙筒は、一般的には助手席の足元に備えられているので、こちらも使い方をチェックしておくと、慌てずに対応することができます。
そして、雪が降ってきたときタイヤチェーンを付けますが、装着する車輪は車によって異なるため、取扱説明書で確認してください。
チェーンに付いているフックのかぎ部分を、内側に向けてつけるとパンクするおそれがあるため、必ず外側に向けて装着してください。

【気象台「雪の予測活用を」】
気象庁は去年11月からホームページで、6時間先までの雪の予想を公表しています。
データは、およそ5キロ四方の範囲の「積雪量」と「降雪量」のそれぞれの1時間ごとの予測データです。
岡山地方気象台は「雪の降る傾向や広がりを把握することができ、1時間ごとに更新されるので最新の予報を活用してほしい。また大雪のおそれがある場合、気象情報も確認してほしい」と呼びかけています。

【県「冬期道路気象情報システム」で画像公開】
雪道の運転に十分注意してほしいと、岡山県はカメラで写した路面の状況を、インターネットで公開しています。
県の「冬期道路気象情報システム」で公開しているのは、岡山県北部を中心に、隣接する鳥取県や島根県の県道や国道、それに高速道路の様子をおよそ80台のカメラで撮影した画像です。
このうち岡山県が設置する19台のカメラの画像は1分ごとに更新され、10分間の降雪量に加え、24時間の積雪の深さや、気温の変化なども表示されます。
岡山県道路整備課は「雪道では冬用タイヤまたはチェーンを着用し、安全走行をお願いします」としています。

【「道路情報表示板」で道路規制や気象情報】
岡山県内の主要な国道を管轄する岡山国道事務所は、県内に45基設置している「道路情報表示板」で、道路の規制や気象情報を提供しています。
また昨年度から、ツイッターで冬用タイヤやチェーンの装着指導や、道路の路面状況などをリアルタイムで公開しています。
特に冬の間に国道53号線で、津山市から鳥取方面に向かうときは最新の情報を活用して、事故などに遭わないよう注意を呼びかけています。