吉備津神社に展示 横綱・千代の富士優勝額の修復 吉備国際大
岡山市の吉備津神社におよそ30年展示されて傷んでいた、横綱・千代の富士の優勝額の修復作業が、高梁市の大学で進められてます。
高梁市の吉備国際大学の文化財総合研究センターで、修復が進められているのは、昭和61年の初場所で優勝した横綱・千代の富士のもので、高さ3メートルあまり、幅が2メートルあまりあります。
平成4年に吉備津神社に奉納され、境内で展示されてきましたが劣化が進み、近現代西洋絵画の修復が専門の、大原秀之客員研究員らが作業にあたっています。
当時の優勝額は、白黒写真に油絵の具で色をつける方法で作られていたということで、赤外線などで状態を分析したあと、同じ時代のほかの額などを参考に、薄く溶いた水溶性の絵の具で失われた陰影を慎重に復元しています。
白く色あせ、中からは昆虫の巣も見つかったという優勝額ですが、引き締まった筋肉質な体で活躍し「ウルフ」のニックネームで圧倒的な人気を誇った名横綱の上半身の姿がよみがえりました。
来年2月末までに作業を終える予定で、大原さんは「絵画の修復とはまた違った作業で苦労していますが、きれいになった千代の富士を、吉備津神社で皆さんに見ていただけるとうれしい」と話していました。