岡山城 天守閣の夜間貸し出し始まる 企業が忘年会に利用

11月にリニューアルオープンした岡山城で、天守閣の夜間貸し出しが始まり、2日には最初の貸し出しとして、企業の忘年会に利用されました。

2日の金曜日の夜に天守閣を借りたのは、岡山市内にある設計事務所で、午後6時半から会社の忘年会を開きました。
社員や取引先の関係者などおよそ60人が集まり、1階の多目的フロアでは、食事を運んで配膳もしてもらうケータリングで手配した料理やお酒が各テーブルに並び飲食を楽しんでいました。
天守閣のなかは、文化財がある2階を除いて自由に見学することができ、食事を終えた利用者が最上階までのぼり、岡山市の夜のまち並みを眺めていました。
夜間の天守閣を貸し切った岡山市にある設計事務所の社長の芳岡博彦さんです。
芳岡さんは、会社が天守閣の改修工事の設計を請け負ったことが縁で、今回、忘年会の会場として天守閣を貸し切れないかと考えました。
この会社では、新型コロナの影響で、去年、おととしと2年連続で忘年会を中止にしていて、芳岡さんは、3年ぶりの忘年会を楽しんでもらいたいと思い貸し切ることを決めました。
設計事務所の芳岡博彦社長は「岡山城という歴史のある建物で和気あいあいと食事をし、岡山の夜景をみて楽しんでもらうことができた。今後も機会があれば使っていきたいと思います」と話していました。
岡山市は、岡山城の天守閣を夜間に貸し出す取り組みを4年前から行っていましたが、城の大改修に伴って一時中断し、今回が再開後初めての貸し出しとなりました。
この夜間貸し出しは一日1組限定で、午後5時半から9時半まで、100人までは10万円で借りることができます。
岡山城管理事務所によりますと、天守閣の貸し出しは予約制で、1か月先から1年先までの予約が可能だということです。
12月は週末を中心にあと4件の予約が入っていて、年間ではおよそ20件の予約があるということです。
活用方法としては、企業などの団体の新年会や歓送迎会などのほか、岡山市で開かれる学会の懇親会、それに結婚式の二次会での活用が想定されているということです。
岡山城の稲本貴男館長は「利用者には食事だけでなく、天守閣の夜景や展示物を楽しんでもらえてよかった。岡山城を貸し切ることはまだまだ知られていないので、夜間も利用してもらい違った城の魅力を知ってもらいたい」と話していました。