岡山市の遊具事故審議会 報告書市長に提出 保育体制拡充を

岡山市の保育園で2歳の男の子が遊具に首を挟み、その後、死亡した事故について検証してきた岡山市の審議会は、再発防止に向けた提言などを盛り込んだ報告書を大森市長に提出しました。
市に対して保育体制の拡充や、事故の事例などを迅速に保育施設どうしで共有することなどを求めています。

去年10月14日、岡山市北区の保育園ですべり台などを備えた複合遊具で遊んでいた2歳の男の子が、10センチ余りの隙間に首を挟まれ、その後死亡しました。
これを受けて岡山市は、医師や弁護士などによる審議会を設けて保育園の対応などについて検証を行い、14日に大森市長に報告書を提出しました。
この中では、当時、基準を上回る保育士が配置されていたものの、事故が起きた箇所について、それまではけがや事故がなく危険だという意識が低かったことや、園庭から見て死角になっているため、子どもの様子を確認しずらい状態だったことが重なり、発見が遅れ、重大事故につながった可能性があると指摘しています。
その上で再発を防止するため市に対し、保育体制の拡充などを求めています。
具体的には、子どもの視点で遊具の点検などを行い、実施の有無を確認すること、人員体制の充実に向けて配置基準の見直しについて国に働きかけること、事故やいわゆる“ヒヤリハット”の事例の収集に努めた上で、迅速に保育施設どうしで共有し研修を実施することなどを挙げています。

報告書を受け取った大森市長は「二度とこのような痛ましい事故を起こしてはならない。報告書の内容を一つ一つ検討して対処する」と述べました。
その上で「今回の事故は、保育士の安全確保の対応が徹底されていなかったから起きてしまった。ただ保育士は、日々の仕事が多く相当の重労働だ。これまでも保育士の待遇改善に努めてきたが、さらに負担を軽減して、かけがえのない子どもの命を守れるように、安全性を第一に考えていきたい」と話していました。

審議会の会長を務める、児童精神科医の中島洋子さんは報告書を提出した後の記者会見で「今回の一番の問題点は、遊具の危険箇所について、危険だという認識が薄く、見守りが薄かったことに加え、その場所が死角になってしまっていたことだ」と指摘しました。
その上で、中島会長は「子どもたちは安全だと思えるような遊具でさえ、いろいろなトライをするので『ひょっとしたら』というようなさまざまな想定をして、安全対策をすることが大事だ」と述べました。
また「子どもたちにはしっかりと園庭で体を動かして遊ばせたいので『あれもだめ、これもだめ』ではなく、子どもたちの遊びに寄り添えるような保育計画も大切だ。また市には、遊具に関する実例を交えた研修などもしっかり行ってほしい」と求めました。

保育の現場に詳しい佛教大学教育学部の佐藤和順教授は「人員体制が充実するように、配置基準の見直しについて国に働きかけることが必要だ。配置基準の見直しには時間がかかるので“岡山方式”と言えるような配置基準を検討してもよいのではないか。さらに保育の補助業務ができる人員を充実させるために、人件費の補助などの制度設計を、市が行う必要があると思う」と話していました。