障害者の世話や介護 周囲に助け求められない実態劇に 岡山市

障害のある家族の世話や介護をしている人たちが、悩みを抱え込んでしまい、周囲に助けを求められないなどという実態を劇にして、岡山市で上演することになりました。

劇を上演するのは、障害のある兄弟や姉妹がいる当事者などでつくる「リアルボイス実行委員会」です。
代表の増田美佳さんは、弟がダウン症で、病気や障害のあるきょうだいたちの介護や世話をしている人たちの悩みを知ってほしいと、2年前からイベントを開いています。
ことしは県内の当事者の体験をもとに、家族の世話をすることが当たり前で、なかなか周囲の人に助けを求められないことや、親がきょうだいばかりにかまって、自分には関心がないのではと不安に思っているといった「ヤングケアラー」の子どもたちの悩みなどを劇にして、上演することにしました。
脚本家がまとめた台本をもとに、俳優3人が障害のある父親がいる女性や、ダウン症の兄をケアする妹などを演じようと、市内の公民館で練習に取り組んでいて、会のメンバーは「自分しか支えられる人がいないと思い、自身を追い詰めてしまった」という経験を話しかけるなどしていました。
また今回イベントでは、県内の学生たちが「ヤングケアラー」の支援についてプレゼンし、障害がある家族がいる人たちにどう向き合っていくか、考えることにしています。
増田さんは「直接、手を差しのばされなくても、自分のことをわかってくれる存在がいるだけでとても救いになる。イベントを通じて実態を知ってもらい、時に味方になってくれることが当事者にとって心の支えになることを知ってほしいです」と話していました。
イベントは10月29日と30日の2日間、岡山市北区の県天神山文化プラザで行われます。
参加は予約制で、団体のホームページで25日まで受け付けています。