小児救急 夜間や休日に患者急増 緊急治療など危機感強める

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、小児科の救急を担う病院では、多くの発熱外来が閉まっている夜間や休日に患者が急増しています。
担当の医師はこのままの状況が続けば、ほかの重い病気で緊急の治療が必要な患者の命が守れないと危機感を強めています。

岡山市北区の「岡山医療センター」の小児科は、子どもの突然の病気に対応するため、緊急の治療が必要な患者や、他の病院で対応できない専門的な医療が必要な患者を24時間体制で受け入れています。
病院では多くの発熱外来が閉まっている夜間や休日に患者が急増していて、夜間には一日30人ほどが訪れています。
23日の午後8時すぎには、病院に赤ちゃんや子どもを連れて保護者が次々と訪れ、駐車場にとめた車の中で抗原検査をして、診察まで待機していました。
病院によりますと、診察を受けるまでの待ち時間が夜間は1時間ほど、日曜日は3時間になるときもあるということです。
また、訪れる患者の多くが、発熱やのどの痛みなどの症状で緊急性は低いものの、新型コロナへの感染や重症化を疑い、不安になって訪れているということです。
清水順也小児科医長は、このままの状況が続けば、重いアレルギー反応のアナフィラキシーショックや、けいれんなど緊急の治療が必要な患者の対応に影響が出かねないと懸念を強めていて「救急外来がひっ迫すると、本来助けられる子どもを助けられなくなるので、それだけは絶対避けたい」と話しています。
その上で清水医師は「夜間や休日の緊急外来は待ち時間が長く、受診自体がかえって患者の負担になる。軽い症状であれば、あわてて受診をする必要はなく、家で安静にして、日中の発熱外来を受診してほしい」と呼びかけています。
さらに医師や看護師が感染したり、濃厚接触者になったりして、小児科では12人のうち、一日3人が出勤できないこともあったとしていて、医療従事者やその周辺での感染拡大も、負担の増加に拍車をかけているとしています。
清水医師は「突然の出勤停止に誰かがすぐに対応しなければならない。小児科全員がお盆休みなく働き詰めで、かなり疲れもたまってきている」と話していました。

岡山県と県医師会は、子どもが新型コロナに感染した場合の主な症状や、緊急の受診の目安についてまとめています。
39度以上が3日間続き、ぐったりして反応が悪い場合は、急いで受診する必要があるとしています。
一方で、解熱剤で発熱がある程度下がり、水分を少しずつとれる場合は、様子を見てよいとしています。
また赤ちゃんの場合は熱があっても、あやすと笑ったり、手足を動かしていたりすれば、あわてなくても大丈夫だとしています。
またおう吐の症状がある場合は、何もとらなくても吐く状況が続いたり、ぐったりして顔色が悪かったり、強い腹痛が続いたりする場合は急いで受診が必要だとしています。
一方、水分を少しずつとれば吐かなかったり、腹痛はあったりしても、一時的であれば様子を見てよいとしています。
県は「新型コロナの感染が疑われる場合でも、焦って救急外来を受診しないよう、この目安を参考にしてほしい」と呼びかけています。