豊後高田市の長安寺など 「六郷山」として国の史跡に登録へ

国東半島に点在する「六郷満山」と呼ばれる寺院のうち、豊後高田市の長安寺などが「六郷山」として、国の史跡に登録されることになりました。

「六郷満山」とも呼ばれる「六郷山」は、平安時代以降に成立し、国東半島の各地に点在する天台宗の寺院を総称する呼び名です。

このうち、豊後高田市にある「長安寺」や「天念寺」、「夷岩屋」、それに国東市にある「岩戸寺」の4つの寺院について、24日、国の審議会が新しく国の史跡に指定するよう答申しました。

これらの寺院は、それぞれ県の史跡にも指定されていますが、今回、国の史跡では、「六郷山」としてまとめて指定されることになりました。

県などによりますと、このうち豊後高田市の長安寺は、中核的な寺院で、山の斜面に沿って伸びる参道の両脇に寺院の建物が並ぶ「山の寺」の代表だということです。

史跡への指定にあたっては、僧侶が生活していた建物がそのまま住居になるなど、寺院が集落の基礎になって現在も維持されている点が評価されたということです。

また、国の重要無形民俗文化財に指定されている「修正鬼会」など、山岳信仰と仏教などが混ざり合った独特の宗教文化や風習が根づいていて、古代から中世にかけての信仰の変遷がうかがえることなども評価されたとしています。

今回の指定で、県内にある国指定の史跡は47件目となります。