将棋「名人戦」豊島九段が藤井八冠に勝利 


将棋の八大タイトルで最も歴史のある「名人戦」の第4局が別府市で行われ、挑戦者の豊島将之九段が藤井聡太八冠に勝ってこのシリーズ初めて白星を挙げ、「名人」復帰に向けて望みをつなぎました。
「名人戦」七番勝負は、2023年、最年少で「名人」のタイトルを獲得した藤井八冠がここまで3連勝していて、初めての防衛まであと1勝としています。
第4局は別府市で行われ、2日目の19日は、先手の豊島九段が18日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」を立会人が開封して対局が再開しました。
対局は、大駒の飛車や角の交換から互いに攻め合う展開が続きましたが、終盤、豊島九段が豊富な持ち駒を駆使して徐々に攻勢に転じます。
藤井八冠も必死に防戦しますが、午後8時49分、藤井八冠が95手までで投了。
この結果、豊島九段がこのシリーズ初めての白星を挙げ、「名人」復帰に向けて望みをつなぎました。
藤井八冠はことしすでに「王将」と「棋王」のタイトルを防衛していますが、初めてとなる「名人」のタイトル防衛は次の対局以降に持ち越しとなりました。次の第5局は5月26日と27日、北海道紋別市で行われます。
このシリーズで初めての白星を挙げた豊島九段は、「内容は精査してみないと分からないが、次につながったのでよかった。すぐ次の対局があるので、コンディションを整えて自分なりに精一杯やりたい」と話していました。
一方、敗れた藤井八冠は、「陣形に傷が多くて、受けに回っても受けきれない気がしたので、攻めに行ったが、無理な攻めだろうなとも思っていた。気持ちを切り替えてがんばりたい」と話していました。