高崎山自然動物園 サルのB群 新しいトップにオスのオオムギ

野生のサルの餌づけで知られる大分市の高崎山自然動物園でB群といわれる群れの新しいトップを認定するテストが行われ、オスのオオムギのトップ就任が決まりました。

高崎山自然動物園によりますと付近に生息するサルにはB群とC群の2つの群れがあり、このうち、およそ640匹がいるB群では、去年11月に19代目のトップだったオスのゴローがC群のメスを追いかけて群れを離れてしまったため、トップ不在の状況が続いています。

このため動物園では、新たなトップを認定するテストを序列2位のオスのオオムギと、18代目のトップ、メスのヤケイの間で行いました。

テストは2匹の間にエサのピーナツを投げ入れてどちらがとるかで優位性を確認します。

5回試みたうち、ピーナツを取ったのはオオムギが4回、ヤケイが1回で、ヤケイがとった1回もオオムギに遠慮がちな様子が見られたということです。

このため、20代目のB群トップにオオムギが就任することが決まりました。

オオムギはオスの22歳。

もともとはC群のトップでしたが1年足らずでB群に移籍し、序列最下位からこつこつと順位を上げてきました。

オオムギはB群のなかで一番の体格を誇る一方、温厚な性格なため、今回のテストではピーナツをヤケイに譲るのではという見方もあったということです。

一方、ヤケイは去年の出産後、性格が優しくなっていましたが子育てが一段落した最近はかつてオスザルをケンカで倒してトップに上り詰めたころの荒々しさが戻り、C群ともめ事があった場合は、先頭に立って戦うこともあるといいます。

高崎山自然動物園のガイド、藤田忠盛さんは「オオムギはおとなしくて優しいので目立つ存在ではなかったが、やっと日の目を見る状況になった。ヤケイと群れのいいツートップができたと思う」と話していました。