樹齢100年超のクロマツ 倒木のおそれで伐採へ 皇族が植樹

大分市中心部に、樹齢100年を超える松の木があるのをご存じでしょうか。
大正時代に皇族が植えた由緒ある木ですが、害虫の被害で枯れてしまい、今月、伐採されることになりました。

伐採されるのは、大分市高砂町の国道197号沿いに植えられているクロマツの木です。

日本赤十字社大分県支部によりますと、このクロマツは、1922年に当時の日本赤十字社総裁だった閑院宮載仁親王が、県支部の敷地だったこの場所に植樹したということです。

去年、葉が茶色く変色しているのが見つかり、樹木医が診断したところ、害虫のマツクイムシによって枯れてしまっていることがわかり、倒木などのおそれがあるとして、今月18日に伐採されることになりました。

現存している50年ほど前の写真と比べると、枝の形や数は少し違いますが、根元から幹にかけては同じように右向きに曲がっていることがわかります。

伐採されたあとは害虫の被害が周辺の木に広がるのを防ぐため、焼却処分されるということで、大分市中心部を長年にわたって見守ってきた松の木の痕跡などを残すのは難しいということです。

日本赤十字社大分県支部は「やむをえないことだと考えていますが、歴史があるゆかりの松の木なので非常に残念です」としています。