障害者就労支援の2事業所 不正受領など 大分市指定取り消し

障害者の就労を支援する大分市内の2つの事業所が、必要な数の人員を配置せずに給付費などを受け取っていたとして、市は指定障害福祉サービス事業所の指定を取り消しました。

指定が取り消されたのは、大分市光吉にある「在宅型就労移行支援 ホープ大分光吉」と、大分市都町の「まちのマッサージ屋さん」です。

「ホープ大分光吉」は、就労を希望する障害者に対し、在宅でパソコンの技術を指導するなどのサービスを提供していましたが、市によりますと、職業指導や生活指導をする常勤の人員を条例で定められた基準数に満たしていないにもかかわらず、基準を満たしたかのような勤務表を作成して市に提出し、「訓練等給付費」を受け取っていたということです。

不正に支払われた「訓練等給付費」は、令和2年11月から去年9月までの間に合わせて2200万円余りに上り、市は加算金を含めた3100万円余りの返還を事業所の運営会社に求めています。

市の聞き取りに対し、運営会社の社長は「故意ではなく認識に誤りがあった」と話しているということです。

また、「まちのマッサージ屋さん」は、マッサージの国家資格を持つ障害者に就労に必要な知識や能力の向上に必要な訓練などを支援していますが、指定障害福祉サービス事業所の指定を申請する際、人員の基準を満たしているかのように偽り、不正な手段で指定を受けたということです。

このため、市は指定を受けたあとの去年4月から12月に支払われた給付費などに加算金を加えた240万円余りの返還を求めています。

市では指定を取り消した2つの事業所に対し、利用者の受け入れ先を責任を持って探すよう求めるとともに、市としてもほかの事業所との調整を進めていくとしています。