南海トラフ巨大地震の観測強化へ 九州初 佐伯市にひずみ計

南海トラフ巨大地震につながる地殻変動を捉えようと、東海から四国にかけて整備されている「ひずみ計」と呼ばれる観測機器が、九州では初めて18日、佐伯市に設置されることが分かりました。
データの検証をしたうえで、南海トラフ沿いで起きる地震の情報に役立てられます。

南海トラフ巨大地震は、静岡県の駿河湾から宮崎県沖の日向灘にかけての陸側と海側の岩盤が押し合うことでひずみが蓄積され引き起こされます。

この巨大地震に備えるため、地下の岩盤の伸び縮みを精密に観測できる「ひずみ計」と呼ばれる機器が東海から四国にかけて39か所に整備され、状況の把握に役立てられています。

この「ひずみ計」について、産業技術総合研究所が九州では初めて佐伯市に設置することが分かりました。

設置作業は18日、行われる予定で、機器を地下に埋設したあと観測されたデータに問題がないか一定期間検証したうえで、気象庁にデータを提供することにしています。

産業技術総合研究所は、来年度、宮崎県にも「ひずみ計」の設置を計画しているということで、「九州周辺の地殻変動の状況を把握し、観測の精度向上につなげていきたい」と話しています。