危険運転致死傷罪の適用見直し検討へ 大分の事故でも問題に

大分市の県道で時速194キロで走る車が起こした死亡事故をめぐっては、危険運転致死罪を適用する条件の厳しさなどを指摘する声が相次いでいます。
こうした中、小泉法務大臣は19日、適用の見直しや罰則の強化が必要か議論する検討会を立ち上げることを明らかにしました。

危険運転致死傷罪は、飲酒運転やあおり運転など故意に危険な運転をして死亡事故などを起こしたドライバーを処罰するために設けられましたが、条件が厳しく適用されないケースが相次ぎ、「国民の常識とかけ離れている」と指摘する声も出ています。

3年前、大分市の県道で起きた死亡事故では、時速194キロで車を運転していた会社員が当初、より刑が軽い過失運転致死罪で起訴されましたが、遺族の要望や検察の再捜査を経て危険運転致死罪に変更されました。

裁判員裁判で審理されるのを前に、大分地方裁判所では証拠や争点などを絞り込む「公判前整理手続き」が進められています。

こうした中、小泉法務大臣は19日の記者会見で「悪質で危険な運転による死傷事故が増え、被害に対する社会的な関心が高まっていることも踏まえ、罰則のあり方などを議論するため検討会を立ち上げる」と述べました。

検討会は来月にも設置され、メンバーは弁護士や裁判官、大学教授に加え交通事故の被害者遺族も参加し、法律の適用の見直しや罰則の強化が必要か、法改正も視野に議論が行われる見通しです。