長者屋敷官衙遺跡の建物跡から柱穴 全体像がわかる発見 中津

国の史跡に指定されている大分県中津市の「長者屋敷官衙遺跡」の周辺で行われた調査で、大型の建物跡から柱穴が新たに見つかり、中津市教育委員会は、建物の全体像がわかる発見だとして国の史跡への追加指定を目指す方針です。

中津市永添にある「長者屋敷官衙遺跡」は、奈良時代から平安時代にかけて郡の役所に税として納められた米を蓄える倉庫群の遺跡で、国の史跡に指定されています。

中津市教育委員会が昨年度、遺跡の周辺で行った調査では、周囲4方向にひさしをそなえた「四面廂建物」という格式の高い様式の建物跡が発見されました。

そして今年度、追加調査を行ったところ、この建物のすべての柱穴が新たに見つかり、特徴が倉庫群の遺跡のものと似ていることから、同じ時期に建築された可能性が高いということです。

建物の大きさは、幅が21メートル奥行きが11メートルで、郡の役所関連の施設としては九州では最大級の規模だということです。

中津市教育委員会では、倉庫群の遺跡とともに現在の中津市一帯を治めていた「下毛郡衙」を構成する一部である可能性が高いとして、国の史跡への追加指定を目指す方針です。

中津市教育委員会は、今月27日に一般向けの現地説明会を開催することにしています。