ホーバークラフト 運航会社が今年度中の運航開始を断念

ホーバークラフトの運航会社が26日、記者会見を開き、先月起きた事故を踏まえた安全対策に時間がかかるとして、当初予定していた今年度中の運航開始を断念する方針を明らかにしました。
会社では来年秋ごろの運航開始を目指すとしています。

大分空港と大分市を結ぶホーバークラフトは、今年度中の運航開始に向けて先月、操縦訓練が始まりましたが、その初日に1番船「Baien」が事故を起こし、船体が大きく破損しました。

26日、記者会見した運航会社「大分第一ホーバードライブ」の小田典史社長は、イギリスの造船会社に依頼している1番船の修理には来年夏ごろまで時間がかかることや、海上での操縦訓練を2月下旬ごろから国内で再開するものの、すべての訓練が完了するのは来年夏以降になる見通しであることを明らかにしました。

その上で、今後納入される3番船も含め、3隻すべてがそろった状態で今年度中に運航を開始するのは難しいと判断して断念したということです。

また、新たな運航開始の時期については、来年秋ごろを目指す一方、時間や便数を限定して部分的に運航する可能性もあることを明らかにしました。

小田社長は「リスクマネージメントが不十分で、安全に運航するためには年度内は難しいという判断に至った。みなさんが安全だと納得できるよう、訓練を公開するなどしながら秋の運航開始を目指したい」と話していました。


これについて、大分県の佐藤知事は「運航事業者が利用者に安全に乗船いただくことを第一に考え、操船技術や整備技術のさらなる研さんが必要と判断して決定されたことであり、県としてもその判断を尊重します。これまで以上に安全運航に対する意識を強く持ちながら、運航事業者とともに運航開始に向けた準備に取り組んでいきます」とコメントしています。