亀の井バス 12月から路線バスの運賃値上げ 大分バスも申請

別府市を中心に運行している「亀の井バス」の路線バスの運賃がことし12月から平均で16%程度値上げされることが決まりました。
バス業界は燃料費の高騰や運転手の不足などで苦境に立たされていて、大分市の「大分バス」も値上げを申請しています。

別府市に本社がある亀の井バスは、市内を中心に37の路線を運行していますが、▽新型コロナウイルスの影響による利用者の減少や、▽運転手を確保するための人件費の増加、▽それに燃料費の高騰による輸送コストの上昇などが経営課題となっていました。

このため、会社ではことし6月、九州運輸局に路線バスの運賃の値上げを申請し、今月13日付けで申請どおり認可されました。

新しい運賃は12月1日からすべての路線で適用され、初乗り運賃は現在の150円から170円に値上がりする予定です。

区間ごとの詳しい運賃は来月1日にホームページなどで公表するとしていて、路線全体の平均で16%程度の値上げになるということです。

亀の井バスは「厳しい経営状況の中でも安全で快適な運行を維持するため、利用客の皆さんには負担をおかけしますが、バス業界の状況をご理解いただきたい」としています。

路線バスの運賃をめぐっては、大分市を中心に運行する大分バスが今月3日に平均で18%程度の値上げを申請したほか、大分交通も値上げの方向で申請を検討しているということです。

【大分バスも申請】
大分市を中心に運行する大分バスが燃料費の高騰や運転手不足などを理由に運賃の引き上げを九州運輸局に申請しました。
認められれば消費税の引き上げに伴う値上げを除けばバス運賃の値上げは30年ぶりとなります。

大分バスによりますと、対象となるのは大分市内などで運行している路線バスで、値上げ率は平均で18%ほどとなっています。

このうち、▽大分市内の均一区間では今の170円から30円上がって200円に、▽均一区間の1か月の通勤定期が7140円から1260円上がって8400円などとなっています。

バス運賃の値上げは消費税の引き上げによる値上げを除くと、平成6年以来となります。

値上げの理由について、大分バスは▽新型コロナの影響で乗客が減ったことや、▽運転手を確保するための人件費が増えていること、それに、▽燃料高騰による輸送コストの上昇などを挙げています。

大分バスは、「今後も極めて厳しい経営が続くことが予想され公共交通を営む事業者として安全安心で快適な輸送サービスを提供するために運賃改定による収支改善が必要であると判断しました。人材確保や環境対策などの課題に対応しつつ、バス路線の維持に努めたい」と話しています。
新しい運賃は申請が認められれば来年3月から適用される予定です。