「捜査を尽くすことが最大の被害者支援」交通事故の遺族が講演

3年前、小学5年生だった娘を交通事故で亡くした男性が警察官を前に講演を行い、捜査を尽くすことが最大の被害者支援だと訴えました。

大分市で行われた4日の講演には、主に交通事故の捜査や取締りなどに携わる警察官、およそ120人が参加しました。

講演を行ったのは、東京・葛飾区に住む波多野暁生さんです。

波多野さんは3年前、当時小学5年生だった11歳の娘と自宅近くの交差点を横断していた際、赤信号を無視して走ってきた車にはねられ、娘を亡くしたほか、自身も大けがを負いました。

加害者のドライバーは当初、過失運転致死傷の疑いで書類送検されましたが、波多野さんは故意に信号を無視していたので、より刑の重い危険運転致死傷の罪にあたるのではないかと思い、交通事故に詳しい専門家の協力を得ながら検察に見直しを求めてきました。

その結果、事故からおよそ1年後、ドライバーは危険運転致死傷の罪で起訴され、懲役6年6か月の実刑判決が確定しました。

講演で波多野さんは、「悪質な事案はすべて危険運転の適用を視野に捜査を尽くすことが最大の被害者支援になる」などと訴えました。

講演のあと波多野さんは、「去年、大分市で発生した時速194キロの死亡事故では再捜査の結果、危険運転致死罪での起訴となった。大分県警のみなさんにはこの事例を高速運転の事故が起きた際、初動捜査のポイントとして共有してほしい」と話していました。