鉄道からバスに「BRTひこぼしライン」開業前に記念式典

6年前の九州北部豪雨で被災したJR日田彦山線のうち、福岡県添田町と大分県日田市の間の区間が28日、BRTと呼ばれるバスを走らせる方式に転換して開業します。
これを前に現地で記念の式典が開かれました。

式典は27日昼前、福岡県東峰村の「宝珠山駅」で開かれ、関係者がテープカットをして開業を祝いました。

そして、真新しいバスに乗り込み、線路跡に整備した専用道路の「通り初め」を行いました。

6年前の九州北部豪雨で大きな被害を受けた日田彦山線のうち、添田駅と日田駅の間のおよそ40キロの区間は、鉄道ではなくバスを走らせる方式に転換し、「BRTひこぼしライン」として28日開業します。

電気バスを含む6台のバスが専用道路と一般道を走行し、添田・日田間を直行ルートではおよそ1時間半で結ぶということです。

バスが止まる駅の数は全線で36と、鉄道のときと比べて3倍に増え、JRは利便性の向上を図ったとしています。

式典には地元の人も招かれ、町おこしに取り組む69歳の男性は「利用客数の面で多少心配はあるが、イベントなどを通じてまちの魅力を高めながら、BRTに乗って来てくれる人を増やしていけたらよいと思う」と話していました。

また、高校2年の女子生徒は「学校の近くに駅ができたり、家を出る時間にぴったりのバスがあったりするので、便利になってうれしい」と話していました。

BRTを巡っては、先月の記録的大雨で専用道路の一部が崩れるなどの被害が出ましたが、JRが急ピッチで復旧工事を進めた結果、予定どおりの開業にこぎつけました。

式典のあと、JR九州の古宮洋二社長は記者団に対し、「被害状況をみて一瞬ひやっとしたが、開業予定を死守することを大前提に作業を行ってきた。ぜひ地元のかたがたに利用していただきたい。あとはいかにPRしていくか、利用していただけるかが課題だと思っている」と述べました。