”大分市の温泉開発は慎重に“ 地下の温泉湧出量限定的

温泉の源泉数、湧出量ともに日本一の大分県で、温泉の研究者による研究成果の発表会が開かれ、大分市の地下にある温泉については湧出量が限られていると考えられるため、開発は、より慎重に行う必要があるという報告が行われました。

「大分県温泉調査研究会」は学識経験者や温泉がある自治体の職員などでつくる研究会で、温泉の分布状況や温泉の影響などを調査し、報告書にまとめています。

16日は昨年度行った研究について、成果を説明する発表会が別府市で開かれ、6人の研究者が発表しました。

このうち、別府市にある京都大学地球熱学研究施設の澤山和貴助教らは大分市の温泉を対象に行った研究の成果を報告しました。

それによりますと、大分市の温泉は地下のマグマではなく、地中深くの熱によって生み出される非火山性の温泉で、地下にたまっている量は限られていると考えられるということです。

ところが、次々と温泉の開発が進められた結果、市内にある31%の源泉で温度と濃度の低下が確認されたということで、開発はより慎重に行う必要があるということです。

「大分県温泉調査研究会」の会長で京都大学地球熱学研究施設の大沢信二教授は「新たな源泉の開発が温泉の枯渇に結びつく事態にならないよう、こうした研究をもとに考えていくことが必要だ」と話していました。