アトピー性皮膚炎 “症状予測できる指標発見” 大分大学など

症状が改善しても再び悪化するおそれがある、アトピー性皮膚炎。
大分大学などの研究グループでは、皮膚の表面の脂質から症状の予測ができることを発見し、効果的な治療法への応用が期待されます。

これは、大分大学医学部の酒井貴史助教の研究グループと日用品大手・花王が共同で研究したものです。

アトピー性皮膚炎は、皮膚を守るバリアー機能が低下し、炎症を伴う強いかゆみが続く病気で、厚生労働省の推計では国内の患者はおよそ125万人いるとみられています。

塗り薬による治療などでいったん症状が改善しても、再び悪化することがあり、症状の予測が難しく、課題となっています。

こうした中、研究グループでは、39人の患者から「セラミド」と呼ばれる皮膚の表面の脂質を採取して、その8週間後に、症状が悪化した患者と症状が治まったままの患者のデータを分析しました。

その結果、症状が悪化した患者では、特定のセラミドに共通する特徴が見られることを突き止め、研究グループではアトピー性皮膚炎の症状の予測ができる指標の発見だとしています。

大分大学の酒井助教は「アトピー性皮膚炎はいつ症状が悪化するかわからないので、治療薬を止めるタイミングの判断が非常に難しく、今回の発見が、将来、患者さんの役に立つ治療法につながってほしい」と話していました。