大分〜韓国 インチョン定期便再開へ 観光地は期待と心配の声

新型コロナの水際対策が緩和され、海外との行き来が再び活発になるなか、22日から大分空港と韓国のインチョン(仁川)空港を結ぶ定期便が再開します。
これについて県内の観光地からは韓国人旅行客の増加を期待する声が聞かれました。

大分空港と韓国のインチョン空港を結ぶ定期便は、日韓関係の悪化や新型コロナの影響で2019年から運休していました。

県では再就航に向けて複数の航空会社と調整を進め、その結果、22日から韓国の航空会社「チェジュ(済州)航空」が、火曜日と木曜日、それに土曜日の週3便運航させることになりました。

水際対策の緩和を受け、県内の観光地にも外国人観光客が再び訪れています。

別府市の観光名所で、赤く染まった温泉の池が特徴の「血の池地獄」でも、ことしに入って、タイなどの東南アジア圏からの外国人観光客が多く訪れ、コロナ禍前のにぎわいを取りもどしつつあります。

施設によりますと、22日以降の予約は、目立って増えていませんが、韓国便の再開で県内での滞在時間が長くなり、訪れる人がさらに増えるのではないかと期待しています。

施設の従業員の甲原利江子さんは、「韓国からのお客さんは、福岡を経由して大分を訪れる個人旅行が多く、まだ伸びしろがあると感じていた。韓国便が再開することで、県内での滞在時間が延び、地獄めぐり全体が盛り上がるとうれしい」と話していました。


大分空港と韓国を結ぶ国際便の運航再開について、観光地の中には、交通渋滞が発生するなど心配の声も聞かれました。

全国有数の温泉地で、日本を訪れる韓国人に人気の観光地の1つの由布市湯布院では、先月の大型連休では、町を訪れた車で長い列ができたほか、平日でも、飲食店などが建ち並ぶ通りには、外国人観光客の姿が多く見られます。

市によりますと、福岡空港の国際便が再開されて以降、休日は団体客を乗せた大型バスで、観光地につながる主要な道路で渋滞が起きるということです。

また、駐車場の数が限られているため、さらに観光客が増えると、受け入れが可能か不安が残るとしています。

由布市湯布院振興局地域振興課の長谷川美由紀課長補佐は、「コロナが落ち着き、観光客が増えるのはありがたいが、大型バスの受け入れを想定していない町づくりをしているので、大勢の観光客を受け入れるのには限界があり不安だ」と話していました。

また、市によりますと観光客が横に広がって街なかを歩き、車の通行の妨げになることが多く見られるということで、広がらずに歩くなど4か国語で歩行の際のマナーを呼びかけています。