県内の消防団員 定数より1800人余不足“対策は急務”

梅雨入りし、災害への備えがいっそう求められる中、県内の地域防災を支える消防団員が各自治体が条例で定めた定数の合計と比べて1800人あまり不足していることが県への取材でわかりました。
慢性的な担い手不足について専門家は「地域の災害対応能力の弱体化につながるため、対策は急務だ」と指摘しています。

火災の消火や災害時の救助活動を担う消防団は、高齢化や人口減少を背景にその担い手不足が全国的な課題となっています。

大分県によりますと、県内の消防団員の人数は2000年度には1万7265人いましたが、減少傾向に歯止めがかからず、昨年度は1万3755人まで減っています。

消防団員については地域防災を充実させるため各自治体が定数を条例で定めていますが、昨年度、県内ではその合計から1858人不足していたということです。

消防団員の担い手不足が慢性化していることについて、消防行政に詳しい関西大学の永田尚三教授は「大分県内の市町村では小規模から中規模な消防本部が多く、災害時は消防本部と消防団が力を合わせて災害に対応する必要がある。
そのため、消防団の団員数の減少や高齢化が続くと地域の災害対応能力の弱体化につながってくる」と指摘しています。

そして、消防団の役割が多様化している現状を踏まえて、「若い人は消防団に入団することで生じる訓練などのさまざまな負担を嫌がる傾向がある。今後は負担の軽減策を都道府県や市町村で検討していくことが重要だ」としています。