令和3年度 福祉施設での障害者への虐待が統計開始以降最多に

令和3年度に大分県内の福祉施設で確認された障害者に対する虐待の件数は9件に上り、統計を取り始めてから最も多くなったことが県のまとめで分かりました。

大分県によりますと、令和3年度に市町村などに寄せられた障害者福祉施設の職員などによる虐待についての通報や届け出は38件でした。

このうち、実際に虐待があったと判断されたのは9件に上り、県が統計を取り始めた平成24年度以降で最も多くなりました。

虐待の内訳をみますと、▽身体的虐待が5件と最も多く、▽性的虐待と心理的虐待がそれぞれ2件でした。

具体的には、▽職員が暴言を吐いたり乱暴な介助をしたりする、▽女性の利用者の居室に入り、身体に触れるといった虐待が確認されたということです。

いずれも市町村が施設に対して指導などの措置を取ったということです。

一方、家族など養護者による虐待に関する通報や届け出は70件寄せられ、このうち実際に虐待があったと判断されたのは11件と前の年度から倍増しました。

県は「権利擁護意識の高まりを受け、従来は見過ごされてきたケースも明るみに出てきたものと考えられる。虐待を受けたり確認したりした場合は、自治体の窓口に相談してほしい」としています。