奈良〜平安時代の役所とみられる大型建物跡 報道関係者に公開

奈良時代から平安時代にかけての米の倉庫群跡で、国の史跡に指定されている中津市の「長者屋敷官衙遺跡」の近くから、当時の役所とみられる大型の建物跡が見つかり、8日、報道関係者に公開されました。

中津市永添にある「長者屋敷官衙遺跡」は、奈良時代から平安時代にかけて郡の役所に税として納められた米を保存する倉庫群の遺跡で、国の史跡に指定されています。

中津市教育委員会では今年度、遺跡から150メートルほど北東の農地で追加の発掘調査を行ったところ、役所の庁舎と見られる建物跡を見つけ、8日、報道関係者に公開しました。

中津市教育委員会によりますと、建物は周囲4方向にひさしをそなえた「四面廂建物」という格式の高い様式であると見られるということです。

また、建物の大きさは幅が21メートル奥行きが11メートルで、郡の役所の庁舎だとすると九州では最大級になり、現在の中津市一帯を治めていた「下毛郡衙」の主要な施設の可能性があるということです。

発掘を担当した中津市歴史博物館の丸山利枝学芸員は「こんな大きな建物の発掘は初めてで全体の規模が分かったときはびっくりした。周辺の調査を進めて郡衙の全体像をもっと解明していきたい」と話しました。

中津市教育委員会では今月18日の10時からは一般向けの現地説明会を開くことにしています。