特別保存記録廃棄 部活中死亡した生徒の遺族が最高裁に意見書

大分地方裁判所が、永久的に保存すると指定していた6件の民事裁判の記録を廃棄していた問題で、このうち、竹田市の高校の部活動中に男子生徒が倒れて亡くなった事故をめぐる裁判の遺族が、再発防止などを求めて最高裁判所に意見書を提出しました。

最高裁判所に意見書を提出したのは、13年前に大分県立竹田高校で剣道の部活動中に熱中症で倒れ、その後亡くなった工藤剣太さんの両親です。

少年事件や民事裁判の記録の廃棄が各地で問題となる中、大分地方裁判所では、永久的に保存する「特別保存」に指定していた民事裁判の記録6件を廃棄していたことが明らかになり、この中には、剣太さんの事故について県の責任を認めた裁判の記録も含まれていました。

両親は意見書で「裁判の記録は、剣太の命そのものとも言える。後世に残されることで、未来の子どもたちの命を救うものになると考えていた」としています。

その上で、廃棄された原因を徹底的に調査することや、記録の復元、さらに再発防止のため、特別保存に指定した記録は国立公文書館などに原則、移管し、デジタルデータでバックアップをとることなどを求めています。

記者会見した父親の英士さんは「今後、同じような事故が起きても、私たちの裁判が、どのような背景でどのような証拠によって判決に至ったのか、振り返れない。同じことを繰り返さないよう、調査ですべてを明らかにしてほしい」と訴えました。

母親の奈美さんは「今後の子どもたちのために闘った裁判だったので、それが失われたことが辛いです」と話していました。

最高裁判所は、廃棄の経緯などを調査し、来年4月をメドにまとめる報告書で公表する方針です。

遺族からの意見書の提出を受けて、最高裁判所の小野寺真也総務局長は「記録の特別保存に関して、これまでにいただいたご意見、ご批判を重く受け止め、有識者委員の意見を聞きながら、記録の管理の適切な運用を確保していきたい」とコメントしています。