農作業の80代男性 イノシシに襲われ軽いけが 日出町

22日朝、日出町の山あいの畑で農作業をしていた80代の男性が突然現れたイノシシに襲われて腕や足をかまれて軽いけがをしました。
警察はイノシシを目撃した際は決して近づかず、その場から静かに立ち去るよう注意を呼びかけています。

22日午前7時ごろ、日出町豊岡で「畑で男性がイノシシに襲われている」と近くに住む男性から消防を通じて警察に通報がありました。

警察によりますと、85歳の男性が畑で農作業をしていたところ3頭のイノシシが突然現れ、このうち1頭から足や腕をかまれるなどして軽いけがをしたということです。

通報した71歳の男性は地元の猟友会のメンバーで、畑の近くに仕掛けたわなの確認をしようとしたところ男性が襲われているのを目撃し、持っていた「もり」でイノシシをしとめたということです。

体長1メートルを超えるイノシシとの格闘中にほかの2頭はその場を走り去ったということです。

現場はJR豊後豊岡駅から北に800メートルほど離れた山あいの地域です。

警察はイノシシを目撃した際は決して近づかず、その場から静かに立ち去るよう注意を呼びかけています。

【イノシシなどの被害】

県によりますと、イノシシは市街地を除く県内全域に生息しているとみられ、農作物を荒らす有害鳥獣として、毎年およそ3万頭が捕獲されています。

県によりますと、いまの時期は好物のクリや柿などを食べるため、イノシシが山から人里に出てくることがあるそうです。

ちなみに昨年度は、イノシシなどの鳥獣による農林水産物の被害額が、県内ではおよそ1億6200万円にのぼったということです。

最も被害額が多かったのは、平成12年度のおよそ5億4600万円で、その後、わなの設置など対策が進められ被害額そのものは減っているということです。

人里近くに現れることで人間が被害にあうこともあり、おととし1月には、大分市郊外のゴルフ場に侵入したイノシシに、プレー中の男性や従業員などが襲われてけがをしました。

イノシシなのですが、もともとは臆病な性質で、人間と出会っても普通はイノシシの方から逃げるそうです。

このため遭遇しても慌てる必要はないということですが、人間の方から攻撃したり威嚇したりすると、向かってくることもあるということです。

大分県「森との共生推進室」は、「イノシシを見かけたら刺激しないよう、静かにその場から逃げてほしい」と話しています。